遊戯王のあれこれ 【彼岸】編
どうも、Junと申します。
東京都の西の方で遊戯王OCGをしています。
今回は【彼岸】というデッキについての覚え書きのようなものです。
前回が【インフェルノイド】だったので、端末世界の背景ストーリーで関わりのある【セフィラ 】について書こうとも思ったのですが、【セフィラ 】については自分が書かなくても先達が無数にいるな…と思い至った次第で、【彼岸】にします。
こちらもこちらで先達は多いのですが。
↑【彼岸】以外にも呼ばれがちで【彼岸】で使う以上の悪さをしがちなカードたち。あまりにも便利なカード落下効果のせいです…
大まかには【彼岸】ですが、属するモンスターの共通効果とその数が多いこととの噛み合いで「雪花の光」を3枚採用しそれ以外の37枚をモンスターで構築する【雪花彼岸】というタイプも存在します。
・彼岸モンスターについて
【彼岸】というテーマは、その原典がイタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリが記した『神曲』という3部構成の叙事詩の一部であるため、登場人物としての「ダンテ」「ベアトリーチェ」「ウェルギリウス」とダンテがウェルギリウスに導かれ旅することになる地獄でその存在が明らかになる12人のマレブランケ(悪魔の総称。カード名では「彼岸の悪鬼」)から構成されています。
「ダンテ」「ベアトリーチェ」「ウェルギリウス」と、リンクヴレインズパック1で登場する「ケルビーニ」はエクストラデッキのモンスターで、「彼岸の悪鬼」たちはメインデッキに入るモンスター群です。
加えて儀式モンスターの「彼岸の鬼神 ヘルレイカー」も存在します。こちらを使用するものは【儀式彼岸】となります。
(本項ではこちらは扱わないこととします)
「彼岸の悪鬼」モンスターは総じて闇属性、悪魔族、レベル3で、共通効果と固有効果があります。このあたりは【インフェルノイド】と似ているかもしれませんが、そちらとの違いはレベルまで統一されていることです。ダンテがランク3エクシーズモンスターなのでレベルが違うと困りますね。
まずは「彼岸の悪鬼」モンスターの共通効果についてと、各種の名前、攻撃力/守備力、固有効果についてまとめておきます。
「彼岸の悪鬼」共通効果
このカード名の①、③の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②自分フィールドに「彼岸」モンスター以外のモンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。
③このカードが墓地に送られた場合に発動できる。(固有効果)
グラバースニッチ 1000/1500
デッキからグラバースニッチ以外の彼岸モンスターを特殊召喚。
ガトルホッグ 1600/1200
墓地からガトルホッグ以外の彼岸モンスターを特殊召喚。
スカラマリオン 800/2000
そのターンのエンドフェイズ時、スカラマリオン以外のデッキから悪魔族・闇属性・レベル3モンスターを手札に加える。
ファーファレル 1000/1900
フィールドのモンスター1体を対象に、そのモンスターをエンドフェイズまで除外する。
バルバリッチャ 1700/1000
墓地からバルバリッチャ以外の彼岸モンスターを3体まで対象として除外し、除外した数×300ポイントのダメージを相手に与える。
リビオッコ 1300/700
手札から悪魔族・闇属性・レベル3モンスターを効果を無効にして特殊召喚する。
アリキーノ 1200/0
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として、ターン終了時まで効果を無効化。
ハックルスパー 1400/0
フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として、そのカードを持ち主の手札に戻す。
ハロウハウンド 1500/300
デッキから彼岸魔法・罠カードを1枚墓地へ送る。
ドラゴネル 1100/900
デッキから彼岸カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。
ラビキャント 100/2100
チューナー。③の墓地効果がなく、共通効果のみ。
以上です。
共通効果によって彼岸モンスター以外のモンスターがいると勝手に墓地へ行ってしまうため、組み合わせられるモンスターもある程度決まっていたりと、構築がしやすいことも特徴と言えると思います。
グラバースニッチ、ガトルホッグ、スカラマリオンはリクルート、蘇生、サーチを行う、と書き直すとその重要性がよくわかるかと思います。スカラマリオンは少しタイミングが遅いですが。
(エクシーズモンスターであるダンテ、ベアトリーチェ、シンクロモンスターのウェルギリウス、融合モンスターの巡礼者ダンテ、リンクモンスターのケルビーニの説明は省かせていただきます)
・デッキの特徴
多くの種類のモンスターが属しているカテゴリなので、構築を始めると自然と枚数が埋まっていき、かつ回そうと思うとその共通効果によって彼岸モンスターを出すとそれ以外が出せない、のような事態が頻発します。
それを解決するためによく入っているのが「魔界発現世行きデスガイド」「魔サイの戦士」などになっている、ということです。
ベアトリーチェに到達することがとりあえずの目標になるデッキなので、彼岸モンスター3体か、魔サイの戦士+彼岸モンスター2体、デスガイド+彼岸モンスター1体以上、のような手札になるとかなりよい、ということからまず考えて回すと良いと思います。
場合によってはケルビーニを経由しつつベアトリーチェを置けたり、アリキーノ、ファーファレルなどの妨害効果持ちをベアトリーチェの(下敷きのダンテの)素材にしておけばグラバースニッチ、ガトルホッグ、リビオッコなどの展開効果持ちをベアトリーチェで落とすことにより2妨害まで構えることもできます。
…と色々書きましたが、彼岸デッキの最も特筆するべき特徴は遊戯王OCGも11期が目前の今日においてはそのスタンダードさであると思っています。
今では珍しくなくなった墓地に送られた時の効果と魔法・罠ゾーンにカードがない時に特殊召喚できる効果が同一ターン中にはどちらか片方しか発動できないことや、属するモンスターを用いてエクストラデッキに触りにいきつつ相手の盤面を見ながら解決策を用意しにいくというところ、さらにテーマ外のカードがあるとそれが邪魔に見えることもあるといったことなど、10期以降の環境において必要なカードの見方、カードを使う順番、相手の手札と伏せカードの予想を立てる考え方、チェーンを組むことでの手札誘発系カードの回避の仕方、指名者系カードの当て方…などをこれほどわかりやすく覚えることができるデッキはそうはないと思います。
また、ガトルホッグやバルバリッチャはそれなりの打点も持っているため、無理にベアトリーチェを作らずこの2体でビートダウンを仕掛けた方がライフを取りやすいかもしれないと意識しながらプレイすることもできるようになるなど、遊戯王をプレイするにあたり考えるべきことの多くを考えられる良いデッキであると言えます。
総じて非常に"順当な"デッキである、と言えるでしょう。
【彼岸】で勝てるようになればそれこそどのデッキを使っても勝てる…かもしれないです。
ただ、まずデッキの中に入っているモンスターの効果をちゃんと把握しておかないと真価を発揮できないなど、扱い自体は難しい部類に入ります。
・4月期をどう見るか?
ベアトリーチェをエクストラモンスターゾーンやケルビーニのリンク先に置かなくてよくなるのはかなり追い風になると思います。
最近は単純な破壊効果も減っていますが、それでもないわけではないので、ベアトリーチェを戦闘もしくは破壊効果でどかさなくてはならない時を押し付けられる場面が増えるはずです。
さらにベアトリーチェの変身先の巡礼者ダンテも場所を問わず出せるようになるのは順当に強くなると思っておいてよい…でしょう。
ガダーラに自爆特攻を仕掛けるベアトリーチェの強さが上がっていると見ていいはずです。
扱える人がしっかりと扱えば、ルール変更の恩恵を大きく受けていると実感できる強さを発揮すると思います。
以上、【彼岸】デッキについてのあれこれでした。