レッド・リブートに恋をして

レッド・リブートを愛憎し続け幾星霜。ようやく制限カードになってくれました。

遊戯王のあれこれ 《輪廻独断》について 〜本当に禁止カード指定される?〜

どうも、Junと申します。

関東で遊戯王をしています。




《輪廻独断》というカードが、


2021年 6月12日 (土)  発売予定の

ANIMATION CHRONICLE 2021


に収録されることが決定されましたね。



2021年5月15日発売の

ストラクチャーデッキ サイバー流の後継者


には収録されません。


色々と大盛り上がりしている(し終わった?)ところ水を差すようですが、ストラクには入りませんよということは明示しておくべきかなと思いました。


GXでヘルカイザー亮が使用したカードだということで、大変な盛り上がりを見せているようですね。



さて、そんな《輪廻独断》のテキストですが


永続罠

①:1ターンに1度、種族を1つ宣言して発動できる。

このターン、お互いの墓地のモンスターは宣言した種族になる。


というものです。

非常にシンプルで驚きました。


で、まずこのカードを見て思ったことは

「対コードトーカー、鉄獣戦線、エルドリッチのサイドチェンジ候補になるな」

でした。


禁止カードになるな、なんて夢にも思っていないんですが、Twitterのサジェストに「輪廻独断」を入れると「禁止」とか「無限ドロー」とかが結構出てきてむしろ驚いたくらいです。


あまり言うべきではないんでしょうが、これから話すことの内容にこれを踏まえていただきたいのであえて言うのであれば、

禁止カードにする想定でカードを発売する、なんてことは今の販売戦略的にないと思ってもらって大丈夫だと思います。

そもそもなんですけど禁止カードにする想定で発売されたカードなんて…………………………………………

f:id:Hine_Jun:20210514081417j:plain

………………………………………………………??




………………………


…………


《超魔導竜騎士 ドラグーン・オブ・レッドアイズ》

闇属性 ☆8 ATK3000/DEF2500

融合 魔法使い族 効果

「ブラック・マジシャン」+「真紅眼の黒竜」またはドラゴン族の効果モンスター

①:このカードは効果の対象にならず、効果では破壊されない。

②:自分メインフェイズに発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果は1ターン中に、このカードの融合素材とした通常モンスターの数まで使用できる。

③:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。


………???????????????


すみませんでした。

禁止カードにする想定で発売されたカードは、あるかもしれないです。


直近だと禁止カードになるべくしてなったと言えるカードはこの2枚かなと思います。

時期的により最近だと《トーチ・ゴーレム》もいますが、リンクロスに近い使い方をされていた、と思って大丈夫でしょう。



では、仮に《輪廻独断》が禁止カードにする想定で発売されるとして、禁止になる理由があるとするなら何になるでしょうか。


先述した2枚が禁止カードになった理由は、


・リンクロスの場合

〈召喚成功時に発動できる効果〉を持っているため、〈墓地に送られた場合の効果〉などとチェーンブロックを組むことで相手からの妨害を受けずに効果の発動が可能。

〈リンク2以上のリンクモンスター1体〉という召喚条件の関係上、展開の途中からこのカードをリンク召喚することが可能で、かつ、素材にしたリンクモンスターのマーカーの数までトークンを展開する効果によりさらなる展開を広げ、制圧盤面を形成することが容易になる。


・ドラグーンの場合

融合魔法の効果でのみ融合召喚できる、などの制約がなく蘇生も可能。

さらに《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》というリンクモンスターと併用することでこのカードは事実上、"効果モンスターを2体並べる"ことができれば特殊召喚できる。

テキストも見ての通り強力無比の一言。


→《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ

(2021/4/1リミットレギュレーション現在は制限カード)

闇属性 LINK2(マーカー:左下、右下) ATK500

リンク 植物族 効果

効果モンスター2体(召喚条件)

このカードの①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

①:フィールドの表側表示モンスターを対象として発動できる。

そのモンスターはターン終了時まで闇属性になる。

②:2000LPを払い、「融合」通常・速攻魔法または「フュージョン」通常・速攻魔法をデッキから墓地へ送って発動できる。

この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。


アナコンダで《真紅眼融合》を指定してデッキから《ブラック・マジシャン》+《真紅眼の黒竜》でドラグーンを融合召喚できます。


個人的にドラグーンには非常に苦しめられたので槍玉に挙げさせてもらっていますが、似たような耐性持ちのカードがドラグーン以前にも2枚ほど禁止になっています。

最近はこの手の他のカードの効果を受けないに近い耐性持ちのカードはほとんど出ていないので、3回も似たような効果持ちを実装しては禁止にしてきたことでいい加減懲りたのかなと思います。


…実際、強力な耐性と効果を両立したモンスターはゲームの幅を狭めてしまうので、存在している時期が過ぎてみて環境がバラけすぎてくるとこれを中心にメタが回っていてそれはそれで面白かった、みたいな思い出話になっていくことはいいとしても、対面しないといけない間はなんて不健全なカードだ、以上の感想を持てないので、しばらくは実装しないでほしいというのが正直なところですね。

ことドラグーンの場合は展開手段のアナコンダもドラグーン自身もエクストラデッキに入るため、メインデッキの圧迫が最小限と言っていいほどの割合で済んでいたので、ゲームの幅の狭め方が異様でした。本当にみんな使ってきたし、みんな苦しめられていました。



そんな上記の2枚と比較して、


・輪廻独断の場合

効果で鳥獣族を指定し、《ドラグニティ-ブラックスピア》を墓地で鳥獣族扱いにすることで自身のリリース→蘇生ループを可能にし、《超再生能力》の効果でターン終了時にブラックスピアをリリースした回数分デッキからカードをドローできるので、デッキの枚数分ブラックスピアをループさせエクゾディアを揃えるコンボが成立する。


…というのが散見される禁止カードになる理由になるようです。

過言ですが、西暦5年なら通用していた理由だと思います。



最も早くこのコンボを成立させる初手は


《輪廻独断》

《ドラグニティ-ブラックスピア》

《超再生能力》

《王家の神殿》

おろかな埋葬

or

ブラックスピアの条件を満たせるモンスター(自分のターンで手札から墓地へ送って発動することができるモンスター)


の5枚が初手に揃っていることなのですが…


端的に言ってこの5枚を毎試合確定で引くことができる人がいて初めて《輪廻独断》本体やこのコンボに必要な周囲のパーツが禁止カードになっていくことになります。

禁止カードになるとするなら想定されるのはこのような場合であるはずなので、これを想定しましょう。


さて…そもそもですが、この想定っていががでしょうか。

さすがにこんなことはそうそう起こることではないと思います。


それでもこの初手に必ずしてみせるぜ!という人がいるのであれば間違いなく《輪廻独断》あるいは周辺パーツには規制がかかりますね。


(この初手からエクゾディアを揃えている様子は、YouTubeで輪廻独断と検索すればすぐ出てきますのでそちらを参照のほどお願いします)



…と言いつつ、ある程度現実的になる必要はあります。

そこで、コンボに必要な最低限のパーツである

《輪廻独断》

《ドラグニティ-ブラックスピア》

《超再生能力》

の3枚と、

(ブラックスピアの効果を成立させるために下級モンスターを墓地へ送れるカードの組み合わせ)×2


毎試合確定で手札が上記の5枚(確定3枚+半確定2枚)だとして、

《輪廻独断》が禁止カードに指定されるほどの効果だとすると、

リンクロスから形成できる過剰なほどの妨害数を構える最終盤面やドラグーンを相手にすることを考えてみましょう。


このコンボでは、成立させるために永続罠を伏せて、さらにターンが帰ってくる必要があります。

ターンが帰ってきたとしても、永続罠が有効である可能性や、ブラックスピアの効果が通る、あるいは通り続ける可能性や、超再生能力がカウンターされない可能性はどれくらいでしょう。


そして、この可能性を潰せる手札をコンボパーツ3枚を抱えている、あるいは《輪廻独断》をセットした状態から成立させることができるかどうかも重要ですが…いかがでしょう。


これもそこまで実現性が高くないはずですね。



売り文句に買い文句…と言うほどでもないですが、なんだかんだ言ってもリンクロスもドラグーンも禁止カードなので、それについては排除していきます。


ドラグーンは魔法、罠、モンスターの効果の誰にも対応したいわゆる万能カウンターですが、万能カウンターでなくてもカウンター効果を持ったカードはいくらでも存在する時代でもあります。

それでも禁止カードに制定されているのがドラグーンというカードともいえます。


さらに、《エフェクト・ヴェーラー》や《灰流うらら》に代表される『手札誘発』の存在もあります。


《輪廻独断》が禁止カードに制定されるほどのカードであるならば、これらも考慮に入れた上でコンボを成立させる必要がありますね。



…少し書き足したところで、

先ほどまでは《輪廻独断》+《ドラグニティ-ブラックスピア》+《超再生能力》の【エクゾディア】は、

1ターン目でコンボが成立する初手の5枚全てが固定されている場合と、2ターン目でコンボ成立となる3枚と、ブラックスピアの条件を満たすことのできるカードのいずれかが固定されている場合で考えていました。


『3枚+ブラックスピアの条件』が固定されている場合』の時に「ある程度現実的に」とは書いたものの、実際のゲームでは起こり得ない固定枚数であることは承知であると思います。


よって、より現実的に…というか、

現実にこのコンボを成立させることに特化した【エクゾディア】を組んだとして、

1ターン目からコンボを成立させる可能性を高める《ブーギートラップ》というカードを採用したとしましょう。


→《ブーギートラップ》

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

①:手札を2枚捨て、自分の墓地の罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。



この場合、【エクゾディア】側に必要になる初手は

《ブーギートラップ》

《超再生能力》

《ドラグニティ-レムス》(《輪廻独断》下でのブラックスピアの蘇生対象不在を解決しつつ、ブラックスピアを手札に加えられる《竜の渓谷》を手札に加えられる)

+

《竜の渓谷》のコスト1枚

+

《輪廻独断》を手札に加える、または墓地へ送るカード

+

《ブーギートラップ》のコスト2枚


この7枚となります。

《竜の渓谷》のコストが《輪廻独断》自身である場合は6枚になります。


後者の必要カード6枚で想定していきましょう。


まず…………

必要なカードが5枚より多くなっています。


これはつまり、先攻を想定すると既にコンボが成立しなくなるため、相手に零龍でも置いてもらってゲーム開始時にボーナスドローをもらいそのカードも確定させ……………冗談はこのあたりにしておくとして。


現実的にはどう少なく見積もっても、ドローのある後攻を選択しないことにはまずコンボの成立までこぎつけることができなくなりました。


次に、どうしても《超再生能力》が手札に必要です。

ブラックスピアのようにサーチが効きやすく実質的にデッキの中に4枚以上入れることのできるカードでも、代替できる効果を持ったカードでもないためです。

これについては3枚投入しドローする確率を上げることでしか解決ができない問題です。



後攻を選択せざるを得ないとして、そうなればこのデッキにおいてしなくてはならないことは


《ブーギートラップ》

《超再生能力》

《ドラグニティ-レムス》

《輪廻独断》

(ブーギートラップのコスト)×2


最低でもこの6枚を揃えていくことを見据えられる手札になっていて、


かつその手札から、


・《ドラグニティ-レムス》を通す

・《竜の渓谷》を通す

・《ブーギートラップ》を通す

・《ドラグニティ-ブラックスピア》の召喚を通す


ことができなくてはなりません。


これはいかがでしょう。

相手が完全に手札事故を起こしている場合でなければ通らないと言って過言ではないですね。





つまり、このコンボを成立させて勝利しようと思った場合、




勝率が相手の手札事故の確率とほぼ等しくなります。





…やはり最初に示した5枚を先攻で持っている可能性を限りなく高めないと、コンボを成功させることと勝率を比例させる具体性が低いと言わざるを得ないと思われます。


このままでは、どう《輪廻独断》を

強すぎ!ヤバい!ダメでしょ!禁止禁止!

などと言ったところで、実態にはあまり即していないということが見えてきたかと思います。



無限ドローはたしかに魅力的なコンボだし、ワードのパワーも高いし、成立させた時に得られる全能感も相当なものでしょう。

エクゾディアによる特殊勝利を成立させるために手っ取り早く思いつくワードであることも確かですが、果たして《輪廻独断》による無限ドローのコンボは《輪廻独断》自身や周囲のコンボパーツを巻き込めるほどのものでしょうか。


今の遊戯王は手札2枚もあれば先攻ワンキルが成立するコンボも平気であります。

(検索ワード:スクラップ ワンキル)

ですが、それに関係するパーツは規制がかなり遅れたり、そもそも規制されていなかったりします。

(例:マジック・テンペスターの禁止は2021/4/1)


それほどまでに除去や妨害を1ターン中に組み込めることが当たり前のゲームスピードやカードパワーになっている、ということです。



《輪廻独断》が禁止になるようなら今発売されていて使用されているカードのほとんどが禁止になっているはずだし、それに始めの方に書きかけてリンクロスとドラグーンでわざと否定した部分ですが、


今は本当に販売戦略的にすぐに禁止になるようなカードは出ないようになっているっぽいです。

(OCGを題材にしたアニメも終わっているからドラグーンみたいなことするわけにもいかない、などなどあるらしく…)



まぁ、《輪廻独断》のサジェストに禁止、とか無限ドロー、とかのワードが入っているのもアニメで使われたカードを用いたコンボだから実態以上のコンボに見えやすかった、とか、タッグフォースに収録されていたことがある、とかが原因なような気はしますが、

そもそもこのカードが使用されたアニメの回でこのコンボが披露されたわけではないことですし、本当にそのままのテキストではOCG化が不可能なレベルの黄泉天輪ほどのカードでもないわけです。


そんなわけで、《輪廻独断》は実装されたところで光の速さで禁止カードになるなんてことはなさそうです、というお話でした。



時々見かける《馬頭鬼》で墓地の種族をアンデット族にしてなんでも蘇生!みたいなコンボも、普通に《アンデットワールド》で事足りていたり…これ、さすがに面白いと思って言ってますよね?



…と色々言いましたが、じゃあこのカードは弱いのかと言われればそんなことはないです。

種族を重要視するデッキに対しての墓地メタとしてかなり良い性能のカードなので、2021年にこれだけシンプルなテキストで、しかもなんだかんだアニメよりも(若干ですが)強化されて実装されることについて、素直に喜んでよいと思います。




ちなみに遊戯王OCGの最速禁止カードは

《Emヒグルミ》

使用可能期間167日

となっております。


《リンクロス》も相当早かったから更新されたのかなと思ったら更新されていませんでした。

こちらは172日間です。誤差レベルと言える…?


《輪廻独断》を名前だけで禁止禁止と言っていたのなら、試しにヒグルミの効果を、《輪廻独断》の効果で《ドラグニティ-ブラックスピア》をループさせて《超再生能力》でターン終了時にドローしようとしている回数×167日間読んでみてはいかがでしょうか。



ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

よき遊戯王ライフをお送りください。

遊戯王のあれこれ 【オルターガイスト】編(2)


Junと申します。ブログではお久しぶりです。

主に都の西の方で遊戯王をしています。


今回は

https://ju3n7-active.hatenadiary.jp/entry/2020/03/10/172802


上記の記事の続きを書こうと思います。

各種カードの紹介などはこちらを参照ください。


かなり時間も経って制限改訂も複数回切り替わったので、ほったらかしていた記事を書き替えるよりは新しく書いてしまおうかなと思ったというところです。



・2020年7月以降、何が一番変わったのか?


ご存知の通り、上記の記事を書いた次の制限改訂で、

《リンクロス》が禁止カードに指定されました。


つまり前の記事は存在自体が10ヶ月ほどレガシーとなってしまっていたわけです。申し訳ありません。

リンクロスを使用した展開ルートがいつまでも置いてありますが、もうできなくなってしまって随分経ちます。

かなり強かったので、せっかくなので思い出に置いておくことにさせてください。


また、当たり前と言えば当たり前ですがリンクロスの禁止により展開ルートが一つ消えました。

これしかなかったようなものなので、元に戻ったといえばそうですが、リンクロスを出せればとりあえず大丈夫(マルチフェイカーにはほぼ確実に繋がる)だったのが、また構築段階から難しくなってしまったとも言えます。



・他の変更点について


これもご存知かと思いますが、

①《ワン・フォー・ワン》が制限行き

②《パーソナル・スプーフィング》が制限解除

③《オルターガイスト・メリュシーク》が制限解除


という改訂が行われたことです。


①と②についてはトレードオフといった感じに見受けられます。

実際はワンフォーワンの制限はスプーフィングが帰ってきてもダメージの方が少し大きいくらいの感覚ですが…


そして何より、遂にメリュシークが帰ってきました。

この変更は見た目以上に大きく、マルチフェイカーにアクセスするために半ば無理矢理に構築に入っていたクリッターなどを抜き去ることが容易になりました。


↑書こうとしていたことが全部書いてありました


デッキトップで引いてもメリュシーク自体が強いので非常に強いというのは本当に良いところです。


これによる恩恵は、2021年4月現在において構築段階にも現れ始めているようですが、この説明をするには、実はリンクロスの禁止、そして怨敵・ドラグーンが存在していた時から時間を戻さなくてはならないので、かなり端折りながらですが説明します。


-ドラグーン制限時代-

2020年7月 リンクロスが禁止に


2020年8月ごろ 擬似的にリンクロスと同じ役割になるカードである《ワンダー・ワンド》が発掘され、ワンドと共に採用することで条件を満たしやすい《PSYフレームギア・γ》をうらら回避や後攻に強くするために構築に詰め込んだ、通称【リンクロスオルター】という構築が現れる


-ドラグーン禁止化-

2020年10月以降 ドラグーン禁止に伴う環境の低速化、改訂でγとの相性が凄まじかったワンフォーワンの制限行き、スプーフィングの緩和などの要因により【リンクロスオルター】構築の需要の減少、《強欲で金満な壺》搭載の既存の【オルターガイスト】との使い分けが進む


また、このあたりから、メリュシーク以外のマルチフェイカーにアクセスするための初動として《クリッター》の採用の増加、《聖魔の乙女 アルテミス》の登場により《黒き森のウィッチ》が検討されるようになり、ウィッチはワンダーワンドの主な装備先としても使用されることになる


2021年1月 ドラグーン禁止以降のデッキタイプ増加の流れを受け、【オルターガイスト】使用者はメタの方向性などを自分のプレイ環境に最適化していき、採用するカードやデッキタイプ(【リンクロスオルター】か否か)などが使用者ごとに細分化していく


2020年4月 メリュシークの制限解除



…といった流れがあるように見受けられます。

2020年から2021年を通して、【オルターガイスト】は使用者ごとに考え方の違いなどがかなり強く表現されるデッキになったということが言えるでしょう。


端的に言って勝ち切れる、あるいは勝ちやすいというデッキではなくなってしまったので、思い描く挙動のカードが現れるまでの待ち期間とも言えます。(属性版の《センサー万別》があったら採用しない使用者はいないと思えるほどです)



話を戻して、メリュシークの制限緩和による恩恵についてです。

いわば「安定性を持たせるためのゴミ」という矛盾した問題を抱えていた《クリッター》や《黒き森のウィッチ》の採用を減らすことができるようになり、使用者の間でも実際にこれらのカードの使用が減っているのが見受けられます。



・【オルターガイスト】の今後の展望


今後は、どのようなカードが発掘されメタゲームに食いついていくようになるのか見ものである…というか、自分自身もどんなカードを採用しようかとても迷っています。(かなり大真面目に《おろかな埋葬》の採用を検討するどころか試していた時期があるくらいです)

迷う余地ができたということ自体がありがたい、ということではありますが、ドラグーン以降かなりの逆風というか、前述もした通り、とても勝ち切れるデッキではなくなっています。悲しい話ですが。


これからも使うつもりのあるデッキなので、勝とうと思ったら今までに採用していたカードを全て改めてみて、今まで以上にあらゆるカードを試してみる必要もありそうです。

プロトコルという強みを最大限に発揮して頑張るしかなさそうです。



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↑モンスターの色と合わせたダイスを手に入れたりもしました。

一緒に選びに行ってくれた人たちには改めて感謝述べておきます。

ダイス選び、意外と面白いので少しこだわりを見せてもいいところかもしれないですね。


では、今回は以上とさせていただきます。

遊戯王のあれこれ 4月の制限・ルール改訂に伴う加筆について

どうも、Junです。

東京都の西の方で遊戯王をしています。

最近、WIXOSSのデッキも組みました。(キーセレ)


2020年4月からの制限改訂が発表され、ルール変更と同時に新たなリミットレギュレーションで遊戯王OCGは11期を迎えることとなりますね。



タイトルの通りですが、今までに書いてきた記事に、この大きな改訂を踏まえた加筆・修正を行おうと思っている、ということをお伝えしておきます。


内容としてはこれだけですが、更新後、随時この記事に修正前の文章と修正後の文章を置いておくのもいいかなと思っているので、気になれば参照してくださいますようお願いします。



[加筆・修正メモ]


2021/4/1

かなり時間が経ったため、オルターガイストについては記事自体を書き直します。


2020/4/14 記事全般

・4月以降のルール変更で…の項目を4月期をどう見るか?に、項目の名前を変更。


2020/4/14 オルターガイスト編

・文章全般

→2020年1月改訂を2020年4月改訂に修正。

・制限改訂を受けて

→灰流うららの制限解除に合わせ、主要パーツへの採用を2枚から3枚へ変更、増殖するGも3枚から2枚へ変更し、画像も修正。

変更前画像

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変更後画像

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→リンクロスの制限入りに合わせ、エクストラデッキのリンクロスの枚数を2枚から1枚に変更、トロイメアユニコーン1枚を追加し、画像も修正。

変更前画像

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変更後画像

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・その他採用カードについて

→サイドデッキ向けカードとして黄金卿エルドリッチと記入していた部分を、禁じられた一滴、三戦の才に変更。

・4月期に入ったことを受けて

→4月からの…の項目全般を見直し、修正。


2020/4/14 青眼編

・制限改訂を受けて

→サンプルレシピの欄の灰流うららを2枚から3枚に、増殖するGを3枚から2枚に変更。


2020/4/14 彼岸編

・4月期をどう見るか?の項目にて、ガダーラに自爆特攻を仕掛けるベアトリーチェ…の一文を加筆。

遊戯王のあれこれ 【オルターガイスト】編


どうも。Junと申します。
東京都の西の方で遊戯王OCGをしています。

今回は【オルターガイスト】というデッキについて書いていこうと思います。

自分が10期に入って組んでから最も使用した、かつ今後も改訂で構築が不可能にならない限りは使用していこうと思っているデッキです。このブログのタイトルも、このデッキを使用しているからこそ着想できたものとなっています。

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↑3セット分くらいパーツがある。

【オルターガイスト】を紹介するにあたり、まず説明するべきことはこのデッキは一度構築を決めてからが構築の始発点である、ということかもしれません。
よく言われている「扱うのが難しい」というのもそうですが、一旦決めた構築を使っているうちに、このカードでこの行動(もしくは相手への妨害)ができるなら今入れているこのカードは別のカードでいいな、などの改善点がデュエルするたびに見えてくるからです。


・オルターガイストカードについてとデッキの回し方について

このデッキの難しさをたらしめているのは罠カードを多用し、かつ罠カードの発動に反応するモンスターが存在するテーマであるため、伏せてあるカードの発動タイミングが非常にシビアであることの他に、テーマ内のカードそれぞれに"共通効果がない"というところも一役買っているかと思います。
なので、どのカードで何ができるかを改めてまとめておきます。

…モンスター

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紫のやつ。(制限カード)
「自分が罠カードを発動した場合に…」というテキストは、罠カードの発動に直接チェーンを組み発動する(雷神龍サンダードラゴンのような効果)のではなく、自分の罠カードが発動無効にされなかった場合、そのチェーンの解決後に再びチェーンブロックを組み発動できる効果ということです。
手札に無限泡影とこのカードを一緒に引いている時の「泡影フェイカー」と呼ばれる組み合わせはこのデッキの先攻が強いという定石に加えて純粋に凶悪で、後攻0ターン目とまで呼ばれていました。確率はかなり落ちましたが、2020年4月改訂の現在も可能です。

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緑のやつ。プロトコルを持ってくる。
時々マリオネッターにうららを投げられますが、うららはデッキからセットには対応していないので、当たりません。

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人魚のやつ。リンクリボーになってマルチフェイカーを探す。(2021/4/1より無制限カードに)

リンクリボーになったタイミングにうららがガンガンに当たります。弱かった点ですがプークエリのおかげで解決しました。

戦闘ダメージを与えた時の効果も非常に優秀です。

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バウンスするやつ。他のモンスターは色や見た目で呼ばれることが多いのにシルキタスだけは名指しで呼ばれることが多い。
発動条件(コスト)として場のオルターガイストカードを手札に戻すので、後述のマテリアリゼーションにチェーンしてそのマテリアリゼーションを戻すと特殊裁定が発生します。
当然、マルチフェイカーを何度も使い回すこともできるため相性が最高です。

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ちっちゃい紫。いきなりヘクスティアを作るやつ。
更に言えばマイクロコーダーです。

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黄色いやつ。
ビートダウン系をぐちゃぐちゃにできます。

…罠

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ルールを作るやつ。
これのおかげでうさぎ、G以外の誘発をほぼカットできるのがこのデッキの大きな強みです。
無限泡影やエフェクトヴェーラー、スキルドレインの効果無効を弾くのはもちろん、ネクロバレーの墓地のカードへ及ぶ効果を無効化される効果の適用中でも、自分のマリオネッターの②の効果やマテリアリゼーションを通すことが可能になります。
とても細かいことですが、このカードの永続効果を適用させるためにこのカードを表にするのみの発動に相手モンスターの効果をチェーンされた場合、そのチェーン上でこのカードは効果の適用前の状態なので、チェーンして効果を無効にすることはできません。

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蘇生するやつ。裁定のおかげで発動後は即座に手札やデッキに帰っていくことが多いです。その場合でも対象モンスターが特殊召喚されます。
残っていてもフィールドに存在するオルターガイストカードになるので適宜残して使うのもアリです。
4月のルール改訂において、このカードの破壊または除外が確定した場合にこのカードをチェーンしてマルチフェイカーを蘇生したとしても、マルチフェイカーは効果の発動前に墓地へ送られてしまい効果が発動できなくなりました。(効果の発動前に発動に際して正しくない場所に参照されると発動することができない、というやつです。)
かなり微々たる弱体化です。羽根帚にチェーンするならマルチフェイカー以外を蘇生するようにすればよい、という認識で大丈夫です。メリュシーク、ヘクスティアを蘇生させればちゃんとサーチもできます。

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出てきてプロトコルを羽根帚から守るやつ。
このカードの対象耐性は相手だけでなく自分にもかかってしまうことに注意です。
このカードがモンスターの状態だと、マリオネッターの②効果の使用にプロトコルやマテリアリゼーションを対象に取ることもできなくなってしまう、というくらいの話ですが。

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侵略の侵喰感染。

…リンクモンスター

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これほんとにリンク2?
実は②効果にターン1がない。

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たまに出てくるやつ。個人的にはリンク6くらいの強さがあると感じます。

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ヴァレルソードより強いやつ。ヘクスティアのリンク先に置いて打点上げる効果を使うと7100が出ます。

以上です。

次にこのデッキを回すにあたってです。
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とにかくこれを使っていきたいデッキなので、これにアクセスできる

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これらの重要度も高いです。

上の3枚ももちろん重要ですが、プークエリと(クンティエリ以外の)オルターガイストモンスターが手札にあれば、ほぼ確実にマルチフェイカーは手札に来ると思ってよいです。

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これを発動してもマルチフェイカーは起動できるので、これを自然と持ってこれる

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このカードも初手にあると嬉しいです。


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こいつはマルチフェイカーのリクルート効果で出してくるモンスターの筆頭です。置いておくだけでかなり強い妨害になってくれます。が、基本的には妨害札を見せていることになるので、使いどころには気をつけなくてはいけません。

オルターガイストネームを持ったカード同士の連携がゲームメイクの肝なので、ネームカードを途切れさせられるとかなり苦しいです。

とにかくできるだけ通常召喚は

f:id:Hine_Jun:20200310182550j:plainf:id:Hine_Jun:20200310182618j:plainに充て、

f:id:Hine_Jun:20200310182654j:plainの設置かf:id:Hine_Jun:20200310182727j:plainを手札に加える
ことに専念し、フェイカーを手札に加えることができたら相手の手札、場、墓地、とよく相談しながら罠カードを発動しフェイカーを起動する…というのがこのデッキを回すために必要なことだと思います。
終着点があってそれを目指すことに尽力するタイプのデッキではないので、その点が難しいと言われる理由かもしれません。
他に意識するべきことは後述させていただきます。

エミュレルフについて、最近は見なくなりましたが、モンスターの補填、罠カードへの対象と破壊耐性の付与と常に採用圏内として覚えておいて損のないカードであると言えると思います。
他にもモンスターにピクシール、フィフィネラグ、フィジアラート、罠カードにカモフラージュ、ホーンデッドロック、フェイルオーバー、リンクモンスターにキードゥルガーなどがテーマカードとして存在しているのですが、省略させていただきます。


・サンプルレシピ

2020年4月改訂の時点で構築に必要な主要パーツと、環境に合わせてメインデッキにも入るカード、サイドデッキ向けのカード、エクストラデッキ、というような分け方でサンプルレシピを紹介しておきます。環境に合わせて必要なカードを主要パーツと織り交ぜ、あなたに最適な40枚+15枚+15枚の【オルターガイスト】を目指してみてください。
サイドデッキを使う試合に慣れないうちは主要パーツ以外のパーツから15枚を選んでサイドデッキにするんだな、くらいの認識で大丈夫です。

・主要パーツ 30枚

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プロトコルとマテリアリゼーションの数は環境や好みで変えても大丈夫です。


※ワン・フォー・ワンとパーソナル・スプーフィングの比率は2021年4月現在1:3になっています。


・環境次第でメインデッキに採用できるカード

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↑このあたりから枚数はお好みで。メインデッキとサイドデッキを合わせて複数枚といった採用方法も可能です。

これに加えて、フィールド魔法なら魔鐘洞も候補になります。


・サイドデッキ向けのカード

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↑無論この限りではないですが、特に思いつくものがなければこのあたりが筆頭になってくると思います。

やぶ蛇の対応カードはエクストラデッキに入ります。
ヌメロン要素一式もアリですね。

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↑やぶ蛇採用時はリンク4のどちらかとニンギルスあたりを異星の最終戦士やナチュル・エクストリオなどの対応カードにします。


参考までにどうぞ。


・使うにあたって意識したいこと

まず最も大事なことは先攻を取ることです。(後攻でもかなり戦える罠デッキではあります)

その他【オルターガイスト】を使用するにあたって意識すべきことは、メインデッキのオルターガイストモンスターの盤面に触れる効果は例外なく対象を取る効果であるということです。
相手の先攻で出てくるドラグーンはもちろん、アストラム、ヴァレルロード、ヴァレルエンド、レベル7以上を素材にした混沌の戦士カオスソルジャーなどが本当に苦手です。
これらを処理するのにニンギルス、アクセスコードトーカーはかなり有効ですが、それまでに妨害を食らいやすいなど、対応できるとはいえ過信は禁物です。
アクセスコードトーカーは、ニンギルスやプライムバンシー、採用している場合はトロイメアユニコーン+効果モンスターどれでもの組み合わせで5300打点として出せるので、非常に取り回しの良いカードです。

果てはマリオネッターの②効果もしっかり対象を取る効果なので、対象の墓地のモンスターにDDクロウや墓穴の指名者が当たると、フィールドの対象のカードが墓地に送られるだけになってしまうことなども覚えておくべきでしょう。


【オルターガイスト】は、先述した通りではありますが展開を通して盤面を完成させることを目指すいわゆる展開系のデッキではない、ということも意識しておくと使いやすいかもしれません。(展開力は高めですが)
言い換えれば"撃たせる"デッキであるということです。手札誘発系のカードや効果無効系のカードを極力釣るようにプレイして、本命のカードをうまく通していきましょう。プロトコルが通ればその後の幽鬼うさぎ、増殖するG以外の手札誘発系のカードをほとんどカットできることもあり、とにかく相手にリソースを使わせることに専念しながら戦えると非常に良い立ち回りになっていくと思います。
簡単にまとめるとワンフォーワンはなるべく取っておくようにしたい、ということです。

最初のうちはマリオネッター、メリュシークを通すように、マルチフェイカーでシルキタスを出した後はシルキタスを通すようにしていくと、自然とリソース差をつけられるようになるといった感じです。

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↑これを目指しましょう。クンティエリは手札にあればより嬉しいくらいなので誘発構えておくのも強いです。


あとは不思議な強い裁定もいくつかあるので、それを覚えましょう。マテリアリゼーション周りの裁定はかなり不思議で強いです。シルキタスで戻しても蘇生されたりスプーフィングで戻しても蘇生されたり。クンティエリにはターン1がないのでシルキタスと一緒に構えられるとこの2枚だけで3回攻撃がカットできたりします。プロトコル適用下のネクロバレー、スキルドレインについても不思議で強いですね。

細かいこととしては、マルチフェイカーの効果を発動するタイミングをあえて遅くしたりそもそも発動しないというプレイングがあります。フェイカーがニビルと一緒に手札にあり、ニビルの方が有効であると判断できた場合はマルチフェイカーを起動してしまうとニビルが出せなくなるので、これも押さえておきましょう。ファンタズメイを採用する場合も同様です。


先に少し書いた回し方の補足として、マルチフェイカー+プロトコルの構えまでいける組み合わせを紹介しておきます。調べれば出てくるので、これを読んでいる方は知っているかもしれません。

・手札にメリュシーク+プークエリ
メリュシーク通常→手札のプークエリとヘクスティアをリンク召喚→メリュシークの③効果をチェーン1、プークエリの②効果をチェーン2として発動→効果処理でプークエリが手札に戻り、マルチフェイカーをサーチ→ヘクスティアを素材にリンクロスをリンク召喚→ヘクスティアの③効果をチェーン1、リンクロスの召喚時効果をチェーン2として発動→効果処理でトークンを1〜2体生成、プロトコルをサーチ

結果:場にリンクロス+トークン1〜2体、手札にフェイカー+プロトコル

上記は、メリュシークorプークエリ+ワンフォーワン+コストになるモンスター、の組み合わせでも可能になりますが、ワンフォーワンがうららに当たる可能性を孕んでいます。
プークエリ+ワンフォーワン+コストの組み合わせだと召喚権が余ります。

マリオネッター+プークエリの場合は、マリオネッターにヴェーラー、泡影、うさぎ以外の場合、場にリンクロスとトークンとプロトコル+手札にマルチフェイカー、までいけます。

プークエリ、リンクロスが実装されたことにより、格段にマルチフェイカー+プロトコルを構えやすくなったことがよくわかると思います。

マルチフェイカーの特殊召喚条件は罠カードの発動なので、プロトコルにこだわらずとも、罠カードを伏せるだけで相手はマルチフェイカーと戦わなくてはならなくなります。


…色々書きましたが、最初に引いた5枚からどういう盤面を組み、どこで誰の効果を使っていくかということを、使いながら慣れていくしかない部分もあるので、使ってみようと思っている方には、とりあえず「マリオ通常プロトコルセット」の呪文を唱え慣れてみてください、と言うほかないのかもしれません。使われるのではなく、使う側としてこの呪文を強く感じられてきたらかなり慣れてきていると考えてよいでしょう。

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↑記事を書きながらドローテスト。楽しめる手札になってくれました。


シルキタスを2枚とも素引きしてしまってスプーフィングが無い時などのどうしようもない手札になる時もあります。

カードゲームは常にそうですが、割り切りも大事です。このデッキはそのこともよく教えてくれます。そういった部分で強いけれど勝ち切れないデッキとも言えるかもしれないですね。



・4月期をどう見るべきか?

【オルターガイスト】は、4月の制限改訂で微弱なダメージを受けました。リンクロスの制限入りです。(展開系はリンクロスを1回使うだけということが多いみたいなので、むしろどう考えてもオルターガイストの押さえ込みだと思います)
これによりノータイムで強金を発動することが少しだけ気難しい行動になりました。個人的にはどうせ強金が手札にあったら使うので気にしすぎても仕方ないと思っていますが、やはりそこでリンクロスを失うリスクは無視できません。
リンクロスを失った場合、そのドローで罠カード(プロトコルが最善)を引けるかどうかがその後の試合展開に影響します。

そして相変わらずドラグーンは苦手です。減った…というか真竜剣皇マスターPというカードのことを思ってもドラグーンみたいなカードは減って然るべきなのですが、使ってくる一部のデッキに対してドラグーンを出された場合、メインのギミックではどうしても対応できません。素直に一滴を当てる他なく、そのため一滴は少なくとも4月期ではメイン採用までありだと思っています。三戦の才については、ドラグーン側がメインフェイズを素通りしてくる可能性もあるので、ドラグーンへの対応としての三戦の才の評価は高くないです。
※三戦の才自体への評価ではなく、強金以外のドローソースもしくは強引な番兵効果としての使用の方が【オルターガイスト】的な評価は高くなる…と思っている、ということです。
早いところドラグーンには禁止カードになってほしいというのが正直なところですが、ドラグーンがいるなら一滴をドラグーンに当てられるとなんとマリオネッターでど突き倒すことも可能になるので、どちらかというと早く一滴が欲しいという感想です。無論ドラグーンが嫌ではなくなるわけではないですが。

他には、ある意味予想通りですが、やぶ蛇を採用した場合以外のルール変更の恩恵がほぼないです。
周りが強くなっただけ、というのがルール変更後の【オルターガイスト】側の意見かなと思います。


↑裁定クイズを置いておきます。8問目の選択肢ちょっと分かりづらいこと以外は覚えておくべきことの多くの部分をカバーできるのでよい問題集です。

この記事と併せて読むとよいなと思う記事はwalp氏の「【考察】オルガの小技集書いてみた」です。
プークエリが実装されるより前の記事だということのみ留意点です。

以上、【オルターガイスト】デッキについてのあれこれでした。
お付き合いいただきありがとうございます。

遊戯王のあれこれ 【彼岸】編

どうも、Junと申します。

東京都の西の方で遊戯王OCGをしています。


今回は【彼岸】というデッキについての覚え書きのようなものです。


前回が【インフェルノイド】だったので、端末世界の背景ストーリーで関わりのある【セフィラ 】について書こうとも思ったのですが、【セフィラ 】については自分が書かなくても先達が無数にいるな…と思い至った次第で、【彼岸】にします。

こちらもこちらで先達は多いのですが。


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↑【彼岸】以外にも呼ばれがちで【彼岸】で使う以上の悪さをしがちなカードたち。あまりにも便利なカード落下効果のせいです…


大まかには【彼岸】ですが、属するモンスターの共通効果とその数が多いこととの噛み合いで「雪花の光」を3枚採用しそれ以外の37枚をモンスターで構築する【雪花彼岸】というタイプも存在します。



・彼岸モンスターについて


【彼岸】というテーマは、その原典がイタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリが記した『神曲』という3部構成の叙事詩の一部であるため、登場人物としての「ダンテ」「ベアトリーチェ」「ウェルギリウス」とダンテがウェルギリウスに導かれ旅することになる地獄でその存在が明らかになる12人のマレブランケ(悪魔の総称。カード名では「彼岸の悪鬼」)から構成されています。


「ダンテ」「ベアトリーチェ」「ウェルギリウス」と、リンクヴレインズパック1で登場する「ケルビーニ」はエクストラデッキのモンスターで、「彼岸の悪鬼」たちはメインデッキに入るモンスター群です。


加えて儀式モンスターの「彼岸の鬼神 ヘルレイカー」も存在します。こちらを使用するものは【儀式彼岸】となります。

(本項ではこちらは扱わないこととします)


「彼岸の悪鬼」モンスターは総じて闇属性、悪魔族、レベル3で、共通効果と固有効果があります。このあたりは【インフェルノイド】と似ているかもしれませんが、そちらとの違いはレベルまで統一されていることです。ダンテがランク3エクシーズモンスターなのでレベルが違うと困りますね。


まずは「彼岸の悪鬼」モンスターの共通効果についてと、各種の名前、攻撃力/守備力、固有効果についてまとめておきます。


「彼岸の悪鬼」共通効果


このカード名の①、③の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

①自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

②自分フィールドに「彼岸」モンスター以外のモンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。

③このカードが墓地に送られた場合に発動できる。(固有効果)


グラバースニッチ 1000/1500

デッキからグラバースニッチ以外の彼岸モンスターを特殊召喚


ガトルホッグ 1600/1200

墓地からガトルホッグ以外の彼岸モンスターを特殊召喚


スカラマリオン 800/2000

そのターンのエンドフェイズ時、スカラマリオン以外のデッキから悪魔族・闇属性・レベル3モンスターを手札に加える。


ファーファレル 1000/1900

フィールドのモンスター1体を対象に、そのモンスターをエンドフェイズまで除外する。


バルバリッチャ 1700/1000

墓地からバルバリッチャ以外の彼岸モンスターを3体まで対象として除外し、除外した数×300ポイントのダメージを相手に与える。


リビオッコ 1300/700

手札から悪魔族・闇属性・レベル3モンスターを効果を無効にして特殊召喚する。


アリキーノ 1200/0

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として、ターン終了時まで効果を無効化。


ハックルスパー 1400/0

フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として、そのカードを持ち主の手札に戻す。


ハロウハウンド 1500/300

デッキから彼岸魔法・罠カードを1枚墓地へ送る。


ドラゴネル 1100/900

デッキから彼岸カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。


ラビキャント 100/2100

チューナー。③の墓地効果がなく、共通効果のみ。



以上です。

共通効果によって彼岸モンスター以外のモンスターがいると勝手に墓地へ行ってしまうため、組み合わせられるモンスターもある程度決まっていたりと、構築がしやすいことも特徴と言えると思います。


グラバースニッチ、ガトルホッグ、スカラマリオンはリクルート、蘇生、サーチを行う、と書き直すとその重要性がよくわかるかと思います。スカラマリオンは少しタイミングが遅いですが。


(エクシーズモンスターであるダンテ、ベアトリーチェシンクロモンスターウェルギリウス、融合モンスターの巡礼者ダンテ、リンクモンスターのケルビーニの説明は省かせていただきます)



・デッキの特徴


多くの種類のモンスターが属しているカテゴリなので、構築を始めると自然と枚数が埋まっていき、かつ回そうと思うとその共通効果によって彼岸モンスターを出すとそれ以外が出せない、のような事態が頻発します。


それを解決するためによく入っているのが「魔界発現世行きデスガイド」「魔サイの戦士」などになっている、ということです。


ベアトリーチェに到達することがとりあえずの目標になるデッキなので、彼岸モンスター3体か、魔サイの戦士+彼岸モンスター2体、デスガイド+彼岸モンスター1体以上、のような手札になるとかなりよい、ということからまず考えて回すと良いと思います。

場合によってはケルビーニを経由しつつベアトリーチェを置けたり、アリキーノ、ファーファレルなどの妨害効果持ちをベアトリーチェの(下敷きのダンテの)素材にしておけばグラバースニッチ、ガトルホッグ、リビオッコなどの展開効果持ちをベアトリーチェで落とすことにより2妨害まで構えることもできます。



…と色々書きましたが、彼岸デッキの最も特筆するべき特徴は遊戯王OCGも11期が目前の今日においてはそのスタンダードさであると思っています。


今では珍しくなくなった墓地に送られた時の効果と魔法・罠ゾーンにカードがない時に特殊召喚できる効果が同一ターン中にはどちらか片方しか発動できないことや、属するモンスターを用いてエクストラデッキに触りにいきつつ相手の盤面を見ながら解決策を用意しにいくというところ、さらにテーマ外のカードがあるとそれが邪魔に見えることもあるといったことなど、10期以降の環境において必要なカードの見方、カードを使う順番、相手の手札と伏せカードの予想を立てる考え方、チェーンを組むことでの手札誘発系カードの回避の仕方、指名者系カードの当て方…などをこれほどわかりやすく覚えることができるデッキはそうはないと思います。


また、ガトルホッグやバルバリッチャはそれなりの打点も持っているため、無理にベアトリーチェを作らずこの2体でビートダウンを仕掛けた方がライフを取りやすいかもしれないと意識しながらプレイすることもできるようになるなど、遊戯王をプレイするにあたり考えるべきことの多くを考えられる良いデッキであると言えます。


総じて非常に"順当な"デッキである、と言えるでしょう。

【彼岸】で勝てるようになればそれこそどのデッキを使っても勝てる…かもしれないです。


ただ、まずデッキの中に入っているモンスターの効果をちゃんと把握しておかないと真価を発揮できないなど、扱い自体は難しい部類に入ります。



・4月期をどう見るか?


ベアトリーチェをエクストラモンスターゾーンやケルビーニのリンク先に置かなくてよくなるのはかなり追い風になると思います。

最近は単純な破壊効果も減っていますが、それでもないわけではないので、ベアトリーチェを戦闘もしくは破壊効果でどかさなくてはならない時を押し付けられる場面が増えるはずです。

さらにベアトリーチェの変身先の巡礼者ダンテも場所を問わず出せるようになるのは順当に強くなると思っておいてよい…でしょう。

ガダーラに自爆特攻を仕掛けるベアトリーチェの強さが上がっていると見ていいはずです。


扱える人がしっかりと扱えば、ルール変更の恩恵を大きく受けていると実感できる強さを発揮すると思います。



以上、【彼岸】デッキについてのあれこれでした。

遊戯王のあれこれ 【インフェルノイド】編

どうも。Junと申します。

東京都の西の方で遊戯王OCGをしています。


今回は【インフェルノイド】についての覚え書きのようなものです。


【青眼】の時もそうでしたが、メタゲーム視点の記事になります。その時ほど丁寧に断りを入れなくてよさそうですが、念のため断っておきます。


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↑宴!!!!!(チェーンうららで、の最有力候補です)


今回はサンプルレシピはなしにします。ちょっと調べると案外たくさん出てくるとも思うし、デッキタイプが複数あるためです。


インフェルノイドモンスターについて


このデッキの大きな特徴の一つとして、インフェルノイドモンスターはデカトロンを除いて特殊召喚モンスターとなっています。炎属性・悪魔族で統一されており、メインデッキに入るモンスターはレベル1〜10で、デカトロンを含め11種類のモンスターと、エクストラデッキにはレベル11の融合モンスター、ティエラが存在しています。


まずはメインデッキのインフェルノイドモンスターの攻撃力/守備力、レベル帯(1〜4、5〜8、9〜10)ごとの召喚条件と共通効果、各モンスターの固有効果についてをまとめておきます。普通にwikiを見た方が早いかもしれませんが、何回見ても使ってみるまでよく分からないモンスター群でもあるので、改めてどうぞ、ということで。



レベル1 デカトロン 500/200 チューナー

通常召喚可能。

召喚、特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからデカトロン以外のインフェルノイドモンスターを墓地へ送り、そのモンスターのレベル分だけ自身のレベルを上げ、同名扱いになり、同じ効果を得る。


-以下は通常召喚不可-


全レベル共通

自分フィールドの効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下の時、特殊召喚可能。


・レベル1〜4

召喚条件:自分の手札、墓地からインフェルノイドモンスター1体を除外した場合のみ手札から特殊召喚できる。


共通効果:相手ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体をリリースして、相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。


レベル1 シャイターン 0/0

固有:1ターンに1度、場にセットされたカード1枚を対象として発動できる。対象カードをデッキバウンス。対象のカードでのチェーン不可。


レベル2 ベルゼブル 0/2000

固有:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示のカードを対象として発動できる。手札バウンス。


レベル3 ルキフグス 1600/0

固有:1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。効果を発動するターン、攻撃不可。


レベル4 アスタロス 1800/0

固有:1ターンに1度、フィールドの魔法・罠カードを対象として発動できる。そのカードを破壊する。効果を発動するターン、攻撃不可。


・レベル5〜8

召喚条件:自分の手札、墓地からインフェルノイドモンスター2体を除外した場合のみ手札、墓地から特殊召喚できる。


共通効果:1ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体をリリースし、相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。


レベル5 アシュメダイ 2200/0

固有:自身が相手モンスターへの攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。相手の手札をランダムに1枚選んで墓地に送る。


レベル6 ベルフェゴル 2400/0

固有:自身の攻撃宣言時に発動できる。相手はエクストラデッキからモンスター1体を選んで除外する。


レベル7 ヴァエル 2600/0

固有:自身が相手モンスターを攻撃したバトルフェイズ終了時に発動できる。フィールドのカード1枚を選んで除外する。


レベル8 アドラメレク 2800/0

固有:自身が戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。自身はもう1度だけ続けて攻撃できる。


・レベル9〜10

召喚条件:自分の手札、墓地からインフェルノイドモンスターを3体除外した場合のみ手札、墓地から特殊召喚できる。


レベル9 リリス 2900/2900

固有①:自身が特殊召喚に成功した時に発動できる。煉獄カード以外のフィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

固有②:1ターンに1度、自身以外のモンスターの効果が発動した時、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。その発動を無効にし除外する。


レベル10 ネヘモス 3000/3000

固有①:自身が特殊召喚に成功した時に発動できる。自身以外のフィールドのモンスターを全て破壊する。

固有②:1ターンに1度、魔法・罠カードの効果が発動した時、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。その発動を無効にし除外する。


以上です。

読んだだけでは理解しづらいと思いますが、例えばアドラメレクを出すためには他に2体のインフェルノイドモンスターが必要で、アドラメレク1体のみが場にいる場合は他のインフェルノイドも出てくることができる、という感じです。


デカトロンにはレベルを上げる効果があり、デカトロンの効果を使う場合はヴァエルまでのレベルのモンスターを墓地に送ることで他のインフェルノイドを阻害しないことができます。


リリスとネヘモスについては、攻守の値や特殊召喚時の効果から分かる通りかと思いますが、捲る力が高い代わりに他のモンスターを出せなくなります。


デカトロン以外は特殊召喚モンスターということは、アドバンス召喚にも対応していないので気を付けましょう。



・デッキの特徴


インフェルノイドモンスターたち自身の召喚条件はかなり取り回しが悪く、出せば出すほど頭数が減っていってしまうため、名前を持ったモンスターを大量に採用しなくてはならない…ように見えますが、画像を貼った「煉獄の狂宴」というカードを使うことで採用枚数をある程度抑えた上で狂宴の効果による大量展開も可能になります。


このデッキは強さの一部分を狂宴に頼っていると言っていいかもしれません。


召喚条件に「自分フィールドの効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下」というものがあります。すべてのインフェルノイドモンスターに共通しているこの条件ですが、つまり場に出ている効果モンスターを混ぜつつリンクモンスターを出せればほぼあってないような条件になるということは覚えていて損はしないと思います。リンク召喚の実装によってある種の強化をされた珍しいデッキでもあります。


インフェルノイドモンスターを多めに採用しなくてはならないという点を逆手に取りデッキ枚数を最大まで増やすことで「名推理」「モンスターゲート」といった高速で墓地肥やしを行えるカードで無理矢理墓地にネームモンスターを増やす【60ノイド】というタイプも存在します。むしろ2020年2月現在は、1月の制限改訂で名推理が緩和されたことによりこちらの方が多数派であると言ってもよいほどです。(「隣の芝刈り」は【インフェルノイド】においてはあまり採用されていない印象です)


【60ノイド】があるならば【40ノイド】もあるわけですが、必ずしも40枚ぴったりでなくとも40とつくことがあります。最近は少数派になりましたが自分は40の方が好きです。(デッキを持ちやすいため…)


さらにこのデッキは、ディアボロスのストラクチャーデッキRで登場した「闇黒世界-シャドウディストピア」というフィールド魔法によって大幅に、と言ってよいほど強化されました。シャドウディストピアはフィールドの表側表示のモンスターを闇属性として扱い、さらに1ターンに1度、カードの効果を発動するためのコストのリリースを相手の闇属性モンスターで賄うことができるという効果を持っています。つまり、インフェルノイドモンスターの墓地のカードを対象に除外する効果を相手のモンスターをリリースして発動できるということになります。元々弱くなかった【インフェルノイド】ですが、このカードによってかなりの理不尽なコスト要求を押し付けられる強みを得たと言えます。

インフェルノイドモンスター+シャドウディストピアに対して、耐性を持ったモンスターはサモンプリーストくらいです。


カテゴリ内のモンスターについてとデッキの特徴の項目だけでそれなりのボリュームになっていますが、つまりそれだけ特徴的なデッキだということでもあります。扱いやすくはないモンスター群はその分どれもとても強力なので、的確にプレイできると1枚からでも他のデッキにはない突破力、制圧力を発揮できることもあります。端的にヴァエルが強い、と覚えておいてもよいと思います。


ただしかなり機嫌のあるデッキでもあるので、ドローに自信のある決闘者向けのデッキと言ってよいかと思っています。



・狂宴の強さ


このデッキについて語る上で外せないのがやはり「煉獄の狂宴」というカードについてでしょう。(画像参照)


手札、フィールドの他の「煉獄」魔法・罠カードをコストに、デッキからレベルの合計が8になるようにインフェルノイドモンスターを3体まで召喚条件を無視して特殊召喚します。


"手札、フィールドの他の「煉獄」魔法罠カードをコストに、デッキからレベルの合計が8になるようにインフェルノイドモンスターを3体まで召喚条件を無視して特殊召喚"します。


トンデモ効果すぎて2回書きました。


読んで字のごとくですが、インフェルノイドモンスターを3体まで並べることができます。レベルの合計が8になるように、なので…


→レベル8を1体 ☆

→レベル7+レベル1の2体 ☆

→レベル6+レベル2の2体 

→レベル5+レベル3の2体

→レベル4+レベル4の2体

→レベル4+レベル3+レベル1の3体

→レベル4+レベル2+レベル2の3体

→レベル3+レベル3+レベル2の3体

→レベル1+レベル1+レベル6の3体 ☆

(☆マークはよく使うもの)


上記のような組み合わせをデッキから出すことができます。


狂宴の効果処理までこぎつけられた場合、やはり最も出したいのはデカトロンになると思うので、デカトロンを2体出せる1+1+6(デカトロン+デカトロン+ベルフェゴル)や、ヴァエルとの組み合わせの7+1は多用することになると思います。


さらに、実は狂宴には1ターンに1度の制約がないので、チェーン1の狂宴にチェーンしてチェーン2で狂宴を発動すると、チェーン1の狂宴のコストを払った後、チェーン2の狂宴はチェーン1の狂宴自体をコストに発動することができてしまいます。この場合に、アドラメレク1体のみで出すこともできるということを覚えておくと便利です。

(狂宴の効果を2回書いたのは実はこのためです)


あまりの強さに持たれていた場合は確実にうららをチェーンされるので、psyフレームγの採用までが基本になっているのはより確実に狂宴を通すためです。γとセットで採用しなければならないpsyフレームドライバーは通常モンスターで、インフェルノイドモンスターの召喚条件のレベルを超過しても問題ないという噛み合いもあります。


また、煉獄の狂宴はサーチ手段も豊富で、「悪魔嬢リリス」に召喚権を割くことでリリスの効果からのセット、「煉獄の消華」によるサーチ、「トラップトリック」によるデッキからのセットに対応しています。煉獄の消華は、処理後からはインフェルノイドモンスターしか出せなくなりますが、チェーン上では処理前なので、うららやうさぎなどに狙われても持っていればpsyフレームγでの対応も可能です。墓穴の指名者ももちろんよいです。



・使うにあたって意識したいこと


意識することはたくさんありますが、デッキの枚数を40枚に近づけている場合、リリスとトラップトリックが狂宴と被ると意外と嫌なので、狂宴を探すためのカードとして消華は確定としても、他はリリスだけかトラップトリックだけの採用にすることやその枚数に理由を持たせること、またそれだけやったとしても狂宴と消華以外の狂宴を探すためのカードの被りを許容できるかどうかなどが最も意識するべきことになるかもしれません。もはや自分との戦いですが、それだけ狂宴が強いということでもあります。


また、デカトロンの素引きは強いですが狂宴で出せるデカトロンは減っていることなども意識しながらプレイできるとよりよいと思います。【インフェルノイド】は採用するべきカードのほとんどにちゃんとしたパワーがありますが、そのカードを使うと他のカードのパワーが相対的に落ちやすいという難点も同時に抱えています。デッキの中身を噛み合わせられるかどうかがかなり初手にかかってきてしまうため、モンスター群の豪快さとは反対に繊細なデッキであると言えるでしょう。特にリリスやネヘモスを出したがっている時にD.D.クロウ、墓穴の指名者などを喰らうと涙を飲むことになります。


覚えておくとよいこととして、デカトロンの効果で名前をコピーして、そのコピーしたモンスターが墓穴の指名者の対象になり除外されたとしてもデカトロンの効果は無効にされない、というものがあります。元々の名前がコピーしたモンスターではなくデカトロンだから、だそうです。関連する話として、インフェルノイドモンスターの召喚条件での特殊召喚をする際はできるだけ墓穴の指名者を避けられるようにデカトロンをコストに選択するのがベターと言えます。


特に重要な煉獄の狂宴を通すことを第一にプレイするのを優先するのですが、「煉獄の虚夢」というティエラを出すためのカードを使える場合はその限りではなくなることなども考えられるとより【インフェルノイド】のことを理解できると思います。



・リンク召喚との相性の良さ


先述もしましたが【インフェルノイド】はリンク召喚によってある種の強化がされました。リンクモンスターにはレベルがないので、インフェルノイドモンスターの召喚条件を阻害せずに展開を繋げることが可能です。


これを利用した【インフェルノイド】おけるライフを取るプランも合わせて紹介しておきます。モンスターを並べるのにさほど苦労しないのでヴァレルソードドラゴン+攻撃力2000以上のモンスターによるワンショットももちろん可能なのですが、デカトロンはチューナーであること、レベル5〜8のモンスター群は相手の墓地にカードがあればフリーチェーンで自分フィールドのモンスターのリリースが可能なので、

γ+ドライバーやデカトロン+他のモンスターから「水晶機巧ハリファイバー」をリンク召喚、ハリファイバーからデカトロンをリクルート、ヴァエルやアドラメレクを墓地に送っておいて、デカトロンとハリファイバーで「アークロード・パラディオン」をリンク召喚。

アークロードのリンク先にヴァエルとアドラメレクを出すとアークロードの攻撃力が7400(2000+2600+2800)となり、アークロードの攻撃後、ヴァエルかアドラメレクの効果でアークロードをリリース。

アークロードのリンク先が攻撃できない制約が解除され、ヴァエルでもアドラメレクでもライフを取りにいくことができる、という寸法です。

ヴァエルかアドラメレクしかアークロードのリンク先に用意できなかったとして、召喚権が残っているなら悪魔嬢リリスを通常召喚すると、ヴァエルの場合でもアドラメレクの場合でも8000以上に届きます。アークロードのリンク先でなくても大丈夫です。

→内訳

アークロード+ヴァエル→アークロード4600+ヴァエル2600=7200で800以上が必要

アークロード+アドラメレク→アークロード4800+アドラメレク2800=7600で400以上が必要。


どちらの場合も悪魔嬢リリスの通常召喚時の攻撃力1000で8000以上になります。


アークロードのリンク先にヴァエルかアドラメレクと他の誰かを置くだけで簡単にライフを取り切れる布陣が整うので、【インフェルノイド】を使用する場合は覚えておくとよいです。

ただ、ネヘモスとリリスは単体だと起動効果によってアークロードをリリースできないので、極力ヴァエルとアドラメレクを一緒に置いてあげることだけ気を付けましょう。



・4月期をどう見るか?


ティエラをエクストラモンスターゾーンに置かなくてもよくなるのですが、元々ティエラを出すと他のモンスターを出しにくくなるので誤差程度かもしれません。が、決して小さくはない変更点です。

デッキの強さはそのままといった感じに留まると思います。



以上、【インフェルノイド】デッキについてのあれこれでした。